返報性の原理

皆さんは「返報性の原理(へんぽうせいのげんり)」をご存知(ぞんち)ですか?「返報性の原理」とは、他人(たにん)から好意(こうい)や恩恵(おんけい)を受けたとき、同じような形でお返しをしてしまうという心理(しんり)のことです。 

例えば誰(だれ)かがあなたのことを信頼(しんらい)して、その人にとって大切な打(う)ち明(あ)け話をしたとしましょう。するとそれを聞いたあなたは、あなたを信頼してくれた相手に対して、「自分も相手のことを信頼しているよ」と伝えたくなり、自分も何か打ち明け話をしようと思ってしまうのです。誰かと仲(なか)良くなるときには、知らず知らずこの「返報」をお互い(たがお)に繰(く)り返(かえ)していることが多いです。 


さて、時々(ときどき)ベトナム人の方から、日本人の上司(じょうし)ときちんと向き合って話すことが出来ないと聞きます。日本人はベトナム人に比べて他人との距離(きょり)を保つ(たもつ)ことが多いので、そう感じることがあるのかもしれません。そんなときはこの返報性の原理を試(ため)してみてはどうでしょうか。 
 

例えばあなたの家族の話や、プライベートの話、将来の話など、普段話さないことを話してみる。そうすると相手もそれに返報して、自分の話をするようになる。そうして徐々(じょじょ)に相互理解(そうごりかい)、信頼関係が深(ふか)まっていき、より率直(そっちょく)に話せるようになっていくのではないでしょうか。日本人は特にこの返報性に弱い(よわい)、と私は感じます。試してみる価値(かち)はあると思いますよ!